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2024.4.10 5月25日「深川勝三と昭和」の参加申込受付中。
2024.4.10 「楽しき日曜日」リバイバル上映会のリポートを掲載しました。
『三浦浩翁半生記』の予習版
『深川勝三と昭和』
深川勝三監督が生きた昭和時代。彼はどう行動してきたのか。そして睦聾啞映画演劇研究会会長である三浦浩翁の勇姿とは。座談会では、彼らと関わった東京聾啞学校在籍当時の想い出を、井上亮一氏が語ります。さらに、三浦浩翁にまつわる「睦ニュース」の秘蔵映像数点を取り上げて公開します。
上映『睦ニュース』
1963年度 / 約30分 / モノクロ / 字幕付き /
音響無し / 製作・睦聾啞映画演劇研究会
入院中の三浦氏に見舞いする深川監督
男鹿半島で観光を楽しむ深川監督
座談会『昭和時代のろう者』
井上 亮一 氏のプロフィール
昭和 6(1931)年 東京都杉並区生まれ。
昭和24(1949)年 官立東京聾唖学校卒業。
昭和26(1951)年 国立聾教育学校附属聾学校
専攻科卒業。
昭和32(1957)年 早稲田大学建築学科卒業。
昭和34(1959)年 同大大学院修士課程修了。
(株)平澤建築設計事務所を経て井上亮一設計事務
所を自営。
筑波技術短期大学元教授、主に耐震設計と構造計画を専門。
現在、筑波大学附属聾学校同窓会顧問。
大杉 豊 氏のプロフィール
国立大学法人筑波技術大学 障害者高等教育研究支援センター 教授。
劇団員、専門学校教員を経て、米国ロチェスター大学大学院言語学専攻に留学。博士(Ph.D.)。
帰国後は全日本ろうあ連盟に6年間勤務後、2006 年より本職。
専門は手話言語学、ろう者学。
2024年 5月25日(土)
13:00~16:00
横浜市社会福祉センター
4階ホール
参加費 : 1,000円
(高校生以下無料)
お問い合わせ・お申し込み
★お申込み方法★
複数の場合は、代表者のお名前と枚数を明記のうえ、記載のメールアドレス宛てにお願いいたします。
info@fukagawa100th.com
終了しました
世界初の“聾唖者”による長編劇映画!
【あらすじ】
昨日の雨から一転、からりと晴れた横浜の三ツ池公園で一人の男がぬかるんだ坂道を上がってくる。あるろう者グループのピクニックと野外座談会を兼ねた集いに、遠路のため遅れて来たのだ。このグループは毎月一度の集いを行っている。
遅れて来た男は、グループの仲間の一人に、前回の欠席の理由を聞かれ、「バレエの招待券をもらったので見てきた・・音楽は解らないが踊りや演技はとてもすばらしかった」と答える。
その会話がもとで色々な話が始まり、過去の経験や抱負など、思い思いにイメージを膨らませながら語り合う。現実と夢とが混じりあったような叙情的な流れの中で、個々のシーンを各々が幻像的に語りながら、それぞれが助け合いや自己責任などをさりげなく訴えるのだった・・・。
【解 説】
我が国初、ろう者による映画製作グループ「睦聾唖映画演劇研究会」は、ろう者に対する社会的バイアス(偏見)がまだ強かったこの頃、技術や知識もない中で非常に苦労を重ね、遂に1時間半に及ぶ『楽しき日曜日』を完成させた。8ミリフィルムで撮影したというが、このフィルムは1本つき、たったの3分しか録画できない不経済的な媒体である。
深川勝三監督は、ろう自らが映画製作は不可能という従来の偏見を破って長編劇映画を完成させてしまった。映画製作者にとっては常識を超えており、目を見張るばかりである。
作品は、4話のオムニバスから成っており、総てろう者だけで演じられた。
演出のリズムが今と違ってやや遅い感じがするが、現代では目にすることも稀になった缶飲料、フォークダンス、ファッションなど昭和の風趣がたくさん見られ、どれも懐かしい。
また、もはや死語になっていた手話の語彙がいくつか見られた。
『楽しき日曜日』は、驚くことに、ろう者の監督制作による世界初の映画であり、ろう映画の“世界遺産”と言っても過言では無いほどの貴重な作品である。
リバイバル上映会
3月31日(日)13時から当センターホールで『楽しき日曜日』上映会を開催します。
只今、鑑賞お申込みを受け付けております。
2024年3月31日(日)13時〜16時
横浜市社会福祉センター 4階ホール
(JR・横浜市営地下鉄 「桜木町駅」前)
参加費 1,000円(小学生以下無料)
定員 250名 (自由席・先着順)
12:00 受付開始
13:00 オープニング・挨拶
13:20 『楽しき日曜日』上映
14:45 休憩
15:00 キャストによる製作裏話
15:50 クロージング
先行予約の特典
1.メール申し込み手順
①メールに申し込み者全員の氏名と合計人数を記入の上
info@fukagawa100th.comまで送信してください。
件名は「申込書」としてください。
②定員に空きがある場合は振込案内を返信しますので
記載されている口座に人数分の金額(1,000円×人数)を振り込んでください。
振込手数料はご負担お願いします。
定員に空きがない場合はその旨返信します。
③着金を確認したら申し込み者ごとの予約番号を記載したメールを送信します。
予約番号は着金順となりますのでご留意ください。
④当日は受付にて予約番号と氏名を仰ってください。
照合確認後入場できます。
2.申込み受付後着金前に定員となった場合はその旨連絡の上返金しますので返金先口座をご連絡ください。
振込手数料を差し引いて返金します。
3.予約番号を発行した入場料は返金できませんので、
どなたかに権利をお譲りください。
1月31日までにお申込みいただいた方
「楽しき日曜日」パンフレット
(平成17年発行 16頁)を無料進呈します。
※数に限りがございます。
終了しました
挨拶・記念プロジェクト発表・回想ミニトーク
2023年12月23日(土)14時〜16時30分
横浜市社会福祉センター 4階ホール
(JR・横浜市営地下鉄 「桜木町駅」前)
参加費 1,000円(小学生以下無料)
定員 250名 (自由席・先着順)
14時00分 オープニング・プラン発表
14時20分 深川勝三の想い出
14時50分 睦ニュース上映
15時30分 特別講話「ろうあ者の映画」講師:大杉豊氏
16時15分 クロージング
秘蔵映像上映
「黒門会館で一周年記念発表会」約10分
「台湾漫遊」約25分
深川勝三監督の在りし日の姿、昭和時代のろう者の有り様が確認できる貴重な作品をご覧いただけます。
特別講話「ろうあ者の映画」
講師 大杉豊氏
(筑波技術大学障害者高等教育研究支援センター教授)
無料で参加特典配布!
「睦」会報誌(1965年)復刻版
睦聾唖映画演劇研究会による、1965年に発行された「睦」会報誌(12ページ)の復刻版をご来場者全員に無料配布します。
『楽しき日曜日』リバイバル上映会のリポート
深川勝三生誕100年記念 プロジェクトとして、最初のイベントである「楽しき日曜日」リバイバル上映会が無事に開催されました。 実は、19年前(2005年)にも同会場で「楽しき日曜日」上映会が開催されました。そのため、今回は「リバイバル上映(再上映)会」というわけです。当時は、上映時間の都合上5分ほどカットしたものを上映しましたが、今回はノーカット版の上映が叶いました。さらに今回は、元映像のノイズ(傷や汚れ、テープとテープの切れ目等)をデジタル技術でできるだけ除去したリニューアル版をお届けしました。
当日は、3月ながら最高気温が25度を上回る夏日の中、約180名の参加者が集まりました。司会の板橋弥央氏は、 安定のユーモアと話術で、冒頭からイベントの雰囲気を盛り上げてくださいました。上映終了後のトークショーでは、現在85歳を超える出演者3名にご登壇いただき、「楽しき日曜日」制作の舞台裏や深川監督との想い出などを語っていただきました。
ロビーに設けた記念展示コーナーでは、深川監督が実際に使用 した8ミリフィルムカメラなど の映像機器や展示パネルを公開し、ご参加の皆様は熱心にご覧になっていました。
上映会プログラム(B5判4頁)
会場の全景
上映後に撮影現場の裏話を進行する板橋弥央氏
(左から)松本喜代子氏、山崎員嗣氏、高 正次氏
次回の案内を説明する大舘信広氏
8ミリフィルムカメラや機器類
展示パネル
物販コーナー
ロビーの全景
第20回さがの映像祭のリポート
写真提供:さがの映像祭実行委員会
2月11日(日)「第20回さがの映像祭」がヒューリックホール京都(京都市)で4年振りの集合開催し、200名以上の来場者が集まりました。奇しくも2月11日は、深川監督の40年目の命日でした。
第一部は、「昭和時代のろう映像『睦ニュース』とは」のテーマで大舘信広氏が深川監督の業績を紹介しました。
ヒューリックホール京都
隣に映画発祥地の碑がある
観客席
第一部の講話をする大舘信広氏
本会場のロビーでは、深川勝三生誕100年記念として特設展示コーナーを公開しました。
深川監督が実際に使用した8ミリフィルム機材類と当時発行した映画パンフレット、台湾省聾啞福利協会からの表彰状がならべています。この機材類は、附属聾学校同窓会の倉庫から偶然に見つけたもので睦ろう者映画保存会が贈呈されました。半世紀を経て本会場で初めて公開しました。全面的に協力を頂いた附属聾学校同窓会に心より感謝いたします。
(3月31日(日)「楽しき日曜日」の横浜会場も展示コーナーを設けます)
今年度の「深川勝三・睦賞」は、映像祭審査会で選考し、次のように決定しました。
作品名:「3つの偶然」 監督:那須元紀さん(東京)
おめでとうございます!
高さ24cmのクリスタル製トロフィー
睦ろう者映画保存会より授賞
受賞の喜びを語る那須元紀さん
記念披露会 のリポート
2023年12月23日(土)、JR桜木町駅前にある
横浜市社会福祉センター4階ホールで記念披露会が開催されました。
世界初ろうの映画監督深川勝三生誕100年記念プロジェクトとしては、最初の事業となりました。
クリスマス関連のイベントが多い最中、190名以上の参加者にご来場に頂きました。
プログラムは終始、順調に進み、盛会のうちに終わりました。
受付前の行列
受付の様子
高正次委員長の挨拶
記念プランを発表する大舘プロデューサー
埋め尽くす客席
司会役の板橋みつお氏
深川勝三監督の想い出を語る高委員長
左から横山タケ氏、高委員長、山崎員嗣氏
大杉豊氏による講話
客席から見た舞台の様子
物販コーナーの様子
世界で初めて劇映画を撮った
ろう者の名前は深川勝三。
大正に東京で生まれ、洋裁の自営業を掛け持ちしながら映画を撮り続けた一人のろう者がいた。その名前は深川勝三。8ミリフィルムで劇映画5作品、30本以上の記録映像を撮り、ろう映画史に大きな足跡を残した。
深川勝三
大正13年(1924)8月10日、旧東京市牛込区出生。3歳高熱により脳膜炎に侵され聾唖となる。官立東京聾唖学校 洋裁科卒。
昭和25年(1950・26歳)に聾唖劇団「東扇座」旗揚げ、10年後に「睦聾唖映画演劇研究会」を設立。 生涯、映画5作品を手掛ける。
昭和60年(1985)2月11日、くも膜下出血により逝去。享年61歳。
深川勝三監督作品紹介
「楽しき日曜日」
1961年/86分/無音/日本手話・日本語字幕
青空の中、ろう者が集まるピクニックに遅れてやってきた男性が「バレエの招待券をもらったので観てきた」と語ったのをきっかけに一人ひとりのさまざまな思い出話に花が咲くのだった...様々な短編で織り成すオムニバス形式の深川勝三監督による第1作。クィア映画としても貴重な作品となっている。修繕のため、120分超の作品を100分に再構成。
「三浦浩翁半生記」
前編・後編・完結編
1962-1964年/120分/無音/日本手話・日本語字幕
ろう教育に身を捧げ、多くのろう者の希望の灯となった実在のろう教師・三浦浩氏の半生を綴る深川勝三監督第2作。8ミリフィルムで撮影された、「前編」「後編」「完結編」からなる約7時間に及ぶ大作を再編集したデジタル復元版。
フィルムを通して明治時代の書生たちの悠々とした暮らしや痛快な交友関係、当時の寮生活の様子が克明に描かれている。
「たき火」
1972年/108分/無音/日本手話・日本語字幕
日本ろう映画の先駆者といえる稀代の映画監督・深川勝三による人間ドラマ。彼の死後に、おおだてのぶひろ監督が編集・完成させた。
舞台は1970年代、北海道から上京したろう青年は、靴磨きの仕事をする女性ろう者と知り合うが、仕事と生活では苦労が続く。家族間の葛藤、青春、昭和の時代のろう者の自立と成長が描かれている。
ご挨拶
日本のろう映画を開拓した映画監督・深川勝三は、来年で生誕100年を迎えます。ろう映画の曙と言っても過言ではないほど、エポック的な存在でした。昭和36年に完成された『楽しき日曜日』は、映像撮影も全く未知のろうあ者たちが力を合わせて制作し、長編劇映画としては世界初とされています。
彼が半生をかけて作り上げた映像作品は、ろう者の歴史を語るのに貴重な遺産となるでしょう。彼の語り継がれた伝説と生誕100年を祝して、来年から1年間にわたる記念プロジェクトをここに始動します。
深川勝三生誕100年記念プロジェクト実行委員会
高委員長の年頭挨拶
公式サイト及び上映作品の映像は全てサイレントです。音声・音響は入っておりません。
映像コラム